やっと会えた。

本当に。


ミアに会うためにこの世界に来たはずなのに、会ったら何も言葉が出て来ない。

見えなかったはずの目はしっかりと蜃気楼のようなミアを捉えている。


彼女が、ミア。


偽物であるミアにも出くわした事がある。

今目の前にいるミアは輪郭がボヤけ、蒸気で形どられた真っ白な彼女。

……なのに彼女がミアなのだろうと心底思えるから不思議だ。


会えばわかる……そう思っていたけれど、まさにそれだった。

百聞は一見にしかず。

彼女が私の追い求め、探し求めていた、もうひとりの、この世界の、私。



『さぁ、カイトを探しましょう。彼はきっと、待ってるから』


待ってる? カイトが?


「そうだね……一緒に探してくれる?」


霧の姿をしたミアは、私よりも長い髪をゆらゆらと揺らしながら、微笑んだ。



『一緒に探しましょう』



待ってる。

カイトはきっと待ってる。

それは私ではなく、ミアの事を。