同時だった。

声の主もまた、私と言葉を重ねた。



『私は、あなた』



やっと今、確信が持てた。


「……やっぱり、ミアなのね」


相変わらずの暗闇の中、その言葉はどことなくこの空間に明かりを灯した、気がした。

目が見えない私が、ただそう感じただけなのかもしれないけど。

だけど前にここへ来た時、カイトの記憶を辿って、過去のミアに会った。

あの声と今聞こえる声は、同じ。


今までは上手く聞こえなかった声。

男か女かすら定かではなかったのに、今ははっきりと聞こえる。


「ミア、あなたは今どこにいるの? やっぱりmiaが原因なの?」

『私の体は今、あの宮殿の奥深くに閉じ込められて眠ってる。閉じ込めたのはmia……その閉じ込められる直前に一部の意識を離し、ここに身を顰めてた。カイトの心の中で、ずっと』

「じゃあどうして前に来た時、現れてくれなかったの? 私はずっとミアを探してたのに」

『現れなかったわけじゃない。現れる事が出来なかったのよ。私は意識の一部であって、人の心の中に身を隠すのも容易ではなかなったから。だから私は眠るように、身を顰めていた』