伊奈はチラチラと横顔に視線を受けながらも、無視を決め込んだ。
教頭は自分を取り巻きの一員にしたいらしいが、あいにくとつるむつもりはない。

苛つく胸の内を隠して、湯のみの茶を飲めば、少しだけ落ち着いた。

それから別の書類を手に取ろうとしたとき。


「教頭先生、どうされました?」

「顔が真っ赤ですよ!」


グラスの中身はどうせ日本酒か何かだろうと思っていたので、単に酔っ払ったのだろう。
学校で酒を飲むのはどうかと思うが、関わりたくないのでその事には触れずにいた。



しかし。