今回は特別なきのこも販売している。
わざわざ長野へ合宿して、きのこ狩りをしてきたのだ。
本当においしいきのこだったので、知ってもらいたかったのである。
ただ、食べる前後に注意が必要なので、簡単に説明も添えた。

売れ行きに満足げな笑顔を浮かべる部長のもとに、スーツ姿の教師が二人で現れる。
そして、きのこ部の模擬店の前で足を止め、見渡してから教師の片方は鼻で笑った。


「まだこの部は存続していたのか。」


まるで汚いものでも見るような視線。
“バーコードの様な”頭の、この学園の教頭だ。
教頭はきのこ部を毛嫌いしており、何かにつけて嫌味を言ってくる。
天敵と言ってもいいほどの、厄介な存在だ。