「はい…こうして、桜花物語は幕を閉じたのでした」

先生が古典の教科書を閉じて言った。

「桜花物語が実話なのかどうかは分かりません」

「でも、桜花物語は、愛に生きる事がどれ程美しく、恐ろしいかを伝えてくれる物語だと先生は思います」

チャイムが鳴って、先生は教室を出て行った。

「ねぇねぇ、桜っ♪桜花物語ってあったと思う?」

「さぁ…花は、どう思う?」

「分かんない」

「だよねぇ」

追い風が吹く、桜の花は今日も咲き乱れている。