「中月の君が好きな大根は本当に美味しいですねぇ……」

「…違うわ」

「…はい?」

「私は…正輝様が好きなのよ。大根なんかに興味ないわ」

「正輝様とは…」

「あの、大根売りの人よ……」

「…中月の君。。。」

「…分かってるわっ!!」

「なかづきの…

「駄目だって言いたいんでしょっ!?」

私は、大声で叫んだ。もう、翁に口を挟まれないように………。もう何も言わせないように………。

「翁になんて分からないわ」

私は、ただ泣き崩れた。

お金さえあれば何でも出来ると思ってた……お金は沸いてくるものだと思ってた。

お金に価値なんて無いと……でも貴方は、愛はお金には勝てないと言った…。

私を養えないと言った。私は、関係なかった。貴方が傍に居てくれれば……何もいらないと思ってた。

愛がお金なんかに負けるなんて…。