「藤咲花様、少納言様。お着きになりました。」

家士が言った。

「…ねぇ?少納言、私と正忠様の繋がりって何だと思う?」

「…藤咲花様が正忠様を想う心です」

「…ありがとう」

私は、ゆっくりと牛車を降りて、前を見た。

心臓の鼓動が早かった。

屋敷の庭で正忠様がお茶を飲んでいるのが見えた。

大人っぽくなった正忠様を見て、顔が赤くなった。

「正忠様…」

私は、声をかけた。