「藤咲花様…」

少納言は、私の顔を見て少しビックリしていた。

正忠様に会えなくなってから2ヶ月…私の頬は痩せこけ、髪はボサボサだった。

「もう、正忠様は私に愛想をつかして一生来てくれないわ」

「藤咲花様…」

「こんな事になるなら、好きだって伝えれば良かったっ…」

「…。」

「どうして私だけ、こんな目に合わなきゃいけないの?」

私は泣き崩れた。

「藤咲花様…良いことを教えてあげます。」

「…へっ?」

「この2ヶ月、正忠様は毎日藤咲花様に会いたいと屋敷に来られております。」

「…え?」

「せめて手紙だけでも…と、ですがお母様が全て断られておりました。」

「…何でっ」

「私が内緒で受け取って来ましたから」

少納言は、私に手紙を渡した。

「少納言…ありがとう」