「藤咲花~」

「…また来られたのですか?正忠様」

「またって…酷いなぁもうっ」

正忠様は毎日屋敷に現れる様になった。

「…いやぁ、綺麗な藤咲花の顔が一目みたいと思ってねぇ」

「ハイハイ」

そう言って、私は布を縫い始めた。

「ちょっと貸して?」

正忠様は手を差し出した。

「?はい」

正忠様に布を渡すと正忠様は、物凄いスピードで縫い始めた。しかも、縫い目が私よりも綺麗だった。

「凄いっ…」

今日やらなければいけない布は、全て短時間で正忠様が縫ってしまった。

「僕が毎日、布を縫ってあげるから余った時間遊んでよ~」

「いけませんっ!!人様を使うなんて私がやります」

私は、布を畳みキッパリと言った。

だって、人を使うなんてお母様と同じだもの…。

私は、正忠様を見た。

「甘えてよ。」

「えっ?」

「僕にも甘えてよ。」

「正忠様?」

「僕は、藤咲花が本気で好きなんだ」

「正忠様っ…」

正忠様は、私の着物を脱がした。

「…お辞めくださいっ!!」

「たまには力抜いてよ」

正忠様は、切なそうな顔で私を抱いた。