それからしばらくの間、私は夕壺さんの家で住むことになった。
「早く産まれないかなぁ…」

夕壺さんは私のお腹をさすりながら言う。
「そうですねぇ…夕壺さんの子供ですからきっと可愛いですよ」

「何言ってるんだ!!桜の宮の子供だから可愛いんだよっ」

「…ふふっ、ありがとうございます」

「…。うん」

夕壺さんはそっぽを向いた。

「どうされました?」

「…何か最近、桜の宮が大人っぽいよ」

「…え?」

「僕だけ子供みたいで…何か恥ずかしい」

「そんなことないですよ」

私は夕壺さんの頬をそっと触り、

「私はいつも、夕壺さんにドキドキしっぱなしです」

と言った。

「桜の宮…」

夕壺さんは私の唇にそっと自分の唇をおしあてた。