ねぇ、知ってる?
閉鎖された病院には必ず“何か”があるって事を・・・
登場人物
岸本 真帆(キシモト マホ)
原田 美樹(ハラダ ミキ)
岸田 将人(キシダ マサト)
織田 祐二(オダ ユウジ)
「真ー帆!!」
親友の美樹が私を呼んだ。
「ん?何?」
クルッと私は振り向いた。
「あのさ、今日、あの閉鎖した病院に行かない?」
「え!?あの、病院に!?」
あの病院とは10年前に何らかの理由で閉鎖された病院の事だ。
「でも・・・あの病院には、お母さんが近寄るなって・・・」
私は下を向く。
「何だ、岸本行かねぇーのか」
え!?
織田君!?
「織田君も行くんだよ」
と美樹が私の耳元で囁いた。
織田君は私が憧れている人だ。
「織田君が・・・行くなら、私も・・・行く」
「やりぃ!」
この時私はお母さんの言いつけ何て忘れていたんだ・・・
そして、放課後になった。
「じゃあ、家に帰ったら、カバン置いて、ケータイだけ持ってこいよ!廃病院で待ち合わせだぞ!!」
芝田君がリーダーのように言った。
「芝田君もいるの?」
私は美樹の耳元で言った。
「うん、オカルト好きらしーよ」
美樹はそう言ってニカッと笑った。
「じゃ、ケータイ持ってきなよ」
美樹はそう言って走り出した。
私も家に向かって走り出した。
「ただいまー」
「あら、お帰り、早かったのね」
お母さんはリビングから顔を出した。
「うん、美樹の家に遊びに行くから」
もちろん嘘だ。
「分かったわ」
お母さんはそう言ってリビングに入っていった。
私はカバンをソファーに置きケータイを持った。
「じゃあ、いってきまーす」
「いってらっしゃーい」
リビングの奥から声が聞こえた。