気付くと、男の子はあたしの目の前まで来ていた。
ニコニコしながら、あたしを全身をくまなく見ている。
……なんか、見すぎじゃない?
ちょっとキモい……。
そして男の子は、納得したように頷いた。
「うーん……やっぱり可愛い!」
「…はぃ?」
「やっぱり」?
可愛い????
あたしの意味不明って顔に、男の子は気付いたみたいで少し慌てて弁解を始めた。
「あ、ああっ、ごめんね、混乱させて!俺は温泉の妖精でトウっていうんだけど!」
「……はぁ?」
温泉??
妖精????
「なに言ってんの?」
……しまった。つい素直な言葉が。
でも、男の子はあまり気にしてないみたいだった。
結構メンタルが強いらしい。
「あれ?ごめん!説明が足りなかったかなー。俺ね、温泉の妖精なんだけど、いつも…君のことを見てたんだ。」
「え……?」