「えっ、てゆーかその人、愛のお姉さんだよな!?」
「俺たちにお姉さん紹介してよー!!」
愛の友達は、背中ごしに何やらあたしを紹介しろと言っているけど、愛はことごとく無視した。
……友達、無視して大丈夫なのかな?
神社からは少し離れ、お祭りの喧騒も少し遠くなったところまで歩いてきた。
あたしの手を離さない愛に、ちょっと心配になった。
…怒ってるのかな?
「あ、あの…愛…?友達、大丈夫だったの?」
あたしが話しかけると、愛はピタリと立ち止まった。
それにならって、あたしも立ち止まる。
「トウくんに、姉さんのこと頼まれたんだから…ほっとけないよ。……それに、こんな俺と仲良くしてくれる友達だよ?ちゃんと理解してくれてるから。」
愛する弟を、ちゃんと理解してくれている友達がいるということを聞くことが出来て、あたしはすごく嬉しかった。
さっき、彼らの顔をちゃんと見てないけど、今すぐにでもお礼を言いたい気分…!
そんなことを考えて、感動していると愛がすごく怪訝な目であたしを見つめていた。
「……姉さん、聞いてる?」
「は、はいっ!聞いてます!!」