「え…?あ、うん。」
「ほんとに大丈夫…?…あれ?悠ちゃん、右腕、赤くなってない?」
トウがそう言って、もう一回自分の右腕を見てみる。
……けど、よく分からない。
「……そう?」
「そうだよ!ここ……っ!」
トウは、あたしに赤くなってるところを教えようとしたんだろう。
あたしの腕を取ろうとして、何かに気付いたようにハッとしてその手を引っ込めた。
トウのその顔は、何かに怯えたように強張っていた。
「トウ……?」
あたしは、理由は分からない何らかの違和感を感じた。
でも、その理由を考える前に、また声が聞こえた。
「……姉さん…?」
背後から、愛の声が聞こえた。
振り返ると、友達であろう男の子たちと一緒にいる愛がいた。
「あ、愛…」
「愛くん、ちょっと!」
トウは、すごい剣幕で愛に近付いていった。
そして、二言三言話すと、愛から離れた。