「はぁー?そんなんじゃないでしょ」




「じゃあ何なの〜?」






綺音は目をキラキラさせていてすごく楽しそうにしている。
綺音は、あたしの高校からの友達で恋バナが大好きな、今どきっぽい女の子。




髪の毛を少しだけ明るく染めて、背中まである長い髪をパーマで内巻きにしている。
明るくて、どんな子にも優しい。
男子にも友達が多いタイプ。
それに、周囲の恋愛関係に詳しい。






「あたしが昨日愛と歩いてるのを見かけて、彼氏なの?って聞かれてただけ」





「あー、愛くんね!悠とは似てないしイケメンだもんねー。一緒に歩いてたらカップルだと思われるわ」








綺音は愛のことを知っていて、すごく気に入ってるみたい。





「そーいえばさ、愛くんって彼女いないのー?なら私が付き合いたーい」





「いないと思うけど……。でも綺音はちょっと……。」





「えー!何それー!」





さすがに弟の彼女が、あたしの親友とか居心地悪すぎる…。
勝手にお断りすると、綺音は特に気にする様子もなくいつも通りだった。


そして、何かに納得したかのようにニヤニヤしている。
何か…面白いものを見つけたかのように。





「……?なにニヤニヤしてんの?」





「いや…、悠に彼氏が出来たんじゃないかって男子が気にして聞きにきてたんだなーと思うと…ちょっと面白くってね〜」