ーーーコンコンコン
「!!!!!」
突然、あたしの部屋のドアをノックする音にビックリして肩を盛大に震わせた。
ものすごい顔をしてる自覚はあるけど、ドアの方に顔を向けた。
ビックリしすぎて、心拍数がやばいことになっている。
そんなあたしの心拍数の乱れも知らず…
しばらくの間をあけて、ノックの主が部屋のドアを開けた。
「……姉さん?準備できた?」
「……あ……愛…。」
愛がひょっこりと顔を出し、あたしはさっきまでしようとしてことをハッと思い出した。
カバン取ろうとしてたんだった!
急いでカバンをクローゼットから取り出す。
その様子を、部屋の入り口から見ていた愛は不思議そうな顔をしてあたしを見ている。
「…?さっきまで何してたの?」
「……いっ、いや、別に。」
「………。まぁいいや、行こうか。」
愛は何か言いたげな顔をしていたけれど、興味なさげに愛はプイと顔を逸らした。
そして、愛はあたしに催促するように玄関へと向かった。
あたしはその背中を見ながら、なぜか安心していた。
愛に、自分の気持ちがバレているんじゃないかと思った。
それを言い当てられるのが、怖かった。
たぶん、誰かに言葉にされたら…あたしは確信してしまうと思う。
「トウのことを好き」だということを。