それでも、トウは気にせず笑っている。



「反省したならよーし!」

なんて言いながら。







そんなトウを見ながら…愛の目は絶望していた。
珍しく口が開きっぱなしになっている…。





そして愛はしばらく黙ってトウの様子を見ていたけど、ふぅ…とため息をつくと完全なるいつものポーカーフェイスに戻った。





「………トウくん、ちょっと良いかな?」





「んー?何ー?」






部屋の外から愛を呼んだ愛に応え、あたしの部屋から出て行くトウ。
カチャリ、と音をたててあたしの部屋のドアが閉まった。






………その瞬間だった。






「ふぎゃああぁぁぁあああ!」







トウの情けない叫び声が聞こえ、ドタバタと暴れる音がする。




そんなやり取りが数分繰り広げられて、愛が何事もなかったかのようにあたしの部屋のドアをノックした。




勝手にドアを開けて、あたしの部屋を覗き込む愛は少し機嫌が良さそうだった。











「姉さん、トウくんがあんまりにうるさいから帰ってもらったからね。」





「………う、うん。」








そう伝えると愛は、夕飯は合格祝いで外食しようとあたしに声をかけ、自室に戻っていった。




パタン…と閉まったドアを見つめ、あたしは一人になった部屋を見渡す。