昼休みが終わって、午後の授業が
終わる頃に教室に戻った。


「桜井、またサボったな」
「今月初めてだし」
「そういう問題じゃないだろ?」


最悪な事に教科担任がまだ教室に居た。
適当に返事をしたら何とか居なくなった。


「桜井さん、放課後ってどんな所で遊んでるの?」


何故かクラスの奴らが
アタシの周りに集まる。
永原は相変わらず1人ぼっちだ。


「今度の休み、カラオケ行かない?」
「夏休みになったら海とか良いね」


永原も誘おうと試しに言うと、
俯いたり、数人はアタシから離れてった。


「何なんだよ一体。要らなくなったら、バッサリ切るのか?永原が何かしたか?」


皆に聞こえるように叫んだ。
すると、誰かが呟いた。


「しょうがないじゃん」


誰が言ったかは分からなかったけど、
その一言から、クラスの奴らは・・・
誰かに操られてる。そう確信した。


「亜紀ちゃん、帰ろっか」


仕方なくそのまま帰った。
帰り道、アタシはずっと、犯人は
誰なのかを考えていた。

家に帰ると珍しく沙織が居た。


「叔母さんに、また追い出されたの」
「何かあったの?」
「叔母さんの娘・・・従姉妹がこの前結婚したから、夜の食事は外でするようにって。私は家族じゃないから仕方ないよね」


沙織は両親が死んだあと、
母親の妹に引き取られ。5才年上の
従姉妹と3人で暮らすようになった。


「血の繋がりがあるなら、家族だろ」
「学校にはまともに行かないし、警察に頭下げた事もあれば、嫌になるの当たり前だよね」
「本当は悪い奴じゃないのに、アタシ達に合わせてるからだろ」


立ち話もなんだし、
とりあえず家に入らせた。


「亜紀だって、悪い人じゃない。私は分かってるよ?亜紀は優しい人だって」
「そんな事言っても、夕飯あげねーよ?」


沙織は頬を膨らませて、お腹をさする。


食いしん坊な所は昔と変わらない。
あと、素直で優しい所。
本人には死んでも言わない。


「沙織は、永原の事嫌い?」
「・・・普通かな」