「お前さ、勝手に約束すんなよ」
「別に・・・アタシは、断ったよ」
「でも、連絡先交換したって事はやばいじゃんかよ。あいつ等と喧嘩した時は、感情に任せてってか・・・とにかく無視しな」


奈々は頭を抱えている。
アタシと沙織はそこそこ強い。
奈々はもっと強いけど・・・あいつ等との
喧嘩で肩を怪我した。


「それとさ、永原真央の事だけど。亜紀はさ、奈々と沙織と絡むの辞めるつもり?」
「それは・・・」


奈々と気まずくなっている沙織は
結局家には来なかった。
由美の事で喧嘩が絶えないらしい。

そして、また今日も学校。
キャンプに行き、クラスがまとまってきた。
前より教室の空気が明るい気がする。
でも・・・1人だけ無言で座ってるのが居る。


「永原」


永原は席に座っていて、机の中から
物を取り出している。


「あ・・・おはよ」
「永原らしくないな、テンション低くない?」
「風邪気味でね」


具合悪そうには見えなかった。
けど、苦笑いをしている気がした。


「真央ちゃん、日直変わってくれないかな?やる事多くて・・・お願い!」


最初は偶然で、よくある事だと思ってた。
けど、やけに皆が永原に仕事を与えてる
気がした。


「今日は運勢悪いのかなー。なんてね」


また苦笑いだ。
いつもは何でも引き受ける働き者なのに、
何かを感じてるのか、やる気がない。


「何かね、クラスの皆に避けられてるの。いつもは朝、教室に入れば挨拶してくれるのに」
「たまたまだよ。課題やってる奴もいたし、忙しいんじゃね?夏休み前だしさ」


移動教室から戻り、教室に入った。
クラスの奴らの視線がアタシだけに向いた。