「亜紀ねーちゃん?」
病院で診察がある永原に、
真里と留守番するのを頼まれた。
「おねーちゃんどこ行ったの?」
「だから、学校に忘れ物」
「・・・でも遅いよ」
「大丈夫、すぐ来るよ」
最近は奈々の誘いを断り、放課後に
真里の遊び相手をしている。
「真里は1人で留守番出来るのに、心配性なねーちゃんだな」
そう言って笑うと、真里も笑った。
階段を駆け登る音がしたと思うと、
玄関のドアが勢いよく開いた。
「亜紀ちゃん、ごめんねー!夕飯食べた?」
「もう7時だし・・・食ったよ」
「道路が混んでてさー」
病院に言った永原は真里に、
遅くなった理由を必死に伝えてる。
病気の事はいつ話す気なんだろう。
「じゃあ、帰るわ」
狭い路地を俯きながら歩く。
見たことのある連中に声をかけられた。
「桜井じゃん。門倉は?」
「・・・奈々の事は知らねーよ」
「あのさ、隣町の女子校に強いのが居るらしいんだわ。あたし等と手組まない?」
「弱いやつと手組んだって、勝てねーよ」
連中のリーダーがアタシの前に立った。
「怖いのか」
「そんなんじゃねーよ。あんた等が弱いから無理なんだよ」
「じゃあ、3人だけで行ってこいよ!・・・勝負見守っててやるよ」
アタシの携帯を取り、
自分の携帯と赤外通信をし始めた。
「何してんだよ?」
「連絡するから、絶対来いよな」
連中を引き連れて、暗い路地に消えてった。
「奈々と沙織に言わなきゃな」
9時近かったけど、何とか2人を
家に呼び出せた。