永原の病気の話を聞いてから、
3日間学校を休んだ。

永原の事は関係ないし、
具合が悪いわけでもない。


「・・・亜紀、お腹すいたー」


家出をした奈々に巻き込まれた。
3日前の夜、アタシの家にやってきた。


「さっき昼に食っただろー」
「知ってるよ、そんなん」


何故か、アタシ達3人の関係は
中学の頃の関係へと修復しつつあった。
奈々はきっと、何かを企んでいる。


「キャンプさ、マジでいくつもり?」
「・・・」
「永原真央と仲良いんだね、亜紀は」
「奈々、永原は由美とは違う」
「別人だろーと、奈々は・・・ポジティブで元気です!みたいなのが大嫌いなんだよ」


修復しつつある関係も、
そう長くは持たない一時的なものだろう。
仲の良い関係がずっと続くはずがない。


「アイス買ってきたよー」


沙織が買い物から戻ってきた。
外は雨が降っている。梅雨の時期になった。


「奈々、チョコー!」
「亜紀は?」
「・・・要らない」


軽く返事をして、寝た。


「亜紀、亜紀っ!」
「ん・・・?」


目を開けると、部屋は薄暗かった。
足元で沙織の声が聞こえる。


「ケータイ、永原真央から電話鳴ってる」


上半身を起こし電話に出る。


「もしも・・・」
「大丈夫?体調悪いのっ?お見舞い行こうと思ったけど、一昨日からバイト忙しかったし・・・そもそも家知らないしでさ」



永原が、アタシの言葉をさえぎったまま
話を続けるから、思わず笑ってしまった。


「何テンパってんの」
「テンパってないよー!普通だよ」
「大丈夫だから。サボり」
「・・・心配したのにー」
「はいはい。切るぞ」


電話を切ると、
奈々の冷たい視線を感じた。


「何その、友達みたいな会話」
「・・・」
「そりゃ奈々達は、ただつるんでるだけだけどさ・・・亜紀は友達が欲しいんだ?」
「ただ絡んでるだけ」
「由美は亜紀の親友だったもんな」


奈々の口角が上がる。
そんな顔を見ると、この前の
由美の話を信じれなくなってしまう。