「……先輩、早く練習始めてください」


「えー…、やだ」




ある冬の放課後。


ボールの音や掛け声が飛び交うこの体育館で、あたしたちバスケ部は活動していた。





……いや、活動してない人が隣に1人いるけど。




「玲ちゃん、今日も寒いねー」


「…なら早く体を動かした方が良いんじゃないですか?」


「んー…じゃあ玲ちゃん、俺のこと見ててくれる?」


「は?」