「……え、」



先輩が急に立ち上がったかと思えば、あたしの手首を掴んで壁に軽く押し付けた。



「……え?」



あの、先輩…顔が近いです。




「玲ちゃん」



至近距離にある先輩の整った顔。



先輩が喋ると吐息が耳にかかって、柄にもなくドキドキしてきた。




……今初めて、試合してない時の先輩をかっこいいと思ったかもしれない。





え、と……これは俗に言う“壁ドン”ってやつですか?