「じゃ、俺は行くね」
私は腕時計を見た。いつの間にか時間は8時半だ。完全に遅刻だ。
……でも、この人は私を放っていれば遅刻しなかったはずだ。
「はい。あの、ごめんなさい。私のせいで遅刻になっちゃって……」
「いーよ。どうせ、遅刻するつもりだったし……気にしないで」
遅刻するつもり……?少し疑問に思ったけど気にしなかった。
「あ、りがとうございます」
「それより、君は保健室に行ったほうがいいよ。ちゃんと手当てしてもらったほうがいいから」
そして、その人は歩き出した。
「はい、ありがとうございます!」
すごく嬉しかったし、心から感謝のお礼をした。