-真人side-

田中を送った帰り道、俺は呆然としていた。



色々考え事してたけど、考えすぎて訳がわからなくなってきてた。




家まで送るよ、その一言を言うのにどれだけ俺が緊張したか、どきどきしたか、田中は分かってないんだろうな。




17年間の人生でドキドキした瞬間トップ5ぐらいには入るな、もしかしたらトップ3、いや、1番かもしれない。




いやいや、今はそんなことを考えてる場合じゃない。




田中と俺は、もう彼氏と彼女の関係になったのかな?



少なくとも他の人からはカップルに見えてたはず。




「付き合って」って言えればいいんだけど、それができない。




とにかく今日はドキドキしっぱなしで疲れた…早く帰って寝よう。




俺はさっき通り過ぎた家に続く曲がり角を曲がって、家に帰った。