-詩織side-


誘われたら、断る理由もなかった。



いや、電車の定期あるし、電車で帰るって言えば断れた。




むしろ電車の方が楽だし、早く帰れるし、なんで断らなかったんだろう。



そう思ったけど、自分の言ったことに後悔はしていなかった。



私は、歩いても帰れなくはない家までの道を、有村と帰ることにした。



内ばきを下駄箱に入れる時にふと思う。



なんか、放課後デートみたい…



一緒に帰るだけだけどね。



これがデートだったら、坂井先輩ともデートしたことになるもんね!