《次の日》

-詩織side-

「絶対それ誰にでも言ってるんだって!」


昼休み、香奈の高い声が教室に響く。


「坂井先輩、人たらしっぽいもんねー。優しいから、みんなのこと褒めてるんだよ。」

「彩乃まで…」


香奈にも彩乃にも勘違いだって言われて、昨日までの浮かれた気分は何処かへ行ってしまった。



_ちげーよ、バーカ___



男子がはしゃいでいる声すらも自分に言っているように感じる。



はぁ、勘違いして、ほんとバカみたい。



そう思うと一気に食欲が無くなり、まだ半分ほど残ったお弁当に蓋をした。