「...うそ」

ここはもう夢じゃない、
そう脳が告げていた。

名前、私の名前。なくした?
そんな感覚。なくした。

やばいぞこれは。

とっさに自分の持ち物、服を隅々までみてネームとかがないかかくにんする。


ない。

ちなみに私の服は制服だった。

手には通学カバン。

見慣れたものなのに、

なぜか不自然にみえたのは

名前が書いていたところが消えていたからだということに気づいた。


ネームには名前が書いていない。

黄色いプレートが胸についているだけ。

カバンにも名前は、なし。