でも、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。




僕が5歳のとき。父親の転勤が、決まってしまったのだ。




『ココちゃん、僕ね…なんだか遠いところに行かなくちゃダメなんだって。だから、ココちゃんにもう会えなくなっちゃう…』




『じゃあ………りゅうくん。最後にあの公園へいこう。』




ココちゃんはただ、なにをするわけでもなく、公園の地べたに寝っ転がって
空を眺めていた。




『ねぇ、ココちゃん?』




僕がそおっと、ココちゃんの顔を覗くと、ココちゃんは涙を流していた。