電車内でもレバーを見つめてよだれを
垂らしている。よだれは今にも地面に
着いてしまいそうだ。
しかし私は気づかない振りをして無視を
決め込んだ。
神田には悪いがこればっかりは譲るわけ
にはいかない。

私と神田の攻防戦は四ッ谷駅についても
続いた。

中園の自宅は南口から歩いてすぐた。
早く向かわなくては。時計の針はすでに
9時を回っている。
さすがに10時を過ぎては迷惑だろう。
私と神田は足早に向かった。