私は手に持った鳥皮を神田に差し出した。すると目にも留まらぬ速さで
食べきってしまった。

駅まで歩きながら食べればいいと思って
いたのだが。
まあいい。中園宅を目指そう。

しかし神田の目線が気になる。
私のレバーを狙っている目だ。
これは私の分として買ったのだ。
差し出すわけにはいかない。
まして、レバーはホールズに続く私の
好物なのである。甘やかしてはならない。
駅までの間神田は私のレバーを凝視
していた。