「バカヤです!いやカバヤです!」

私は言うと、すぐに神園は

「ああ、カバヤね。」

と電話を切ってしまった。

私は遊ばれてしまったようだ。
頭に来る以前に呆気にとられてしまった。
長期戦にはならなかったが
不戦勝といった感覚だ。
神田はこちらを見つめている。

「真相は明らかになりましたか?」

探偵の助手役きどりで言った。
元バススパイというすばらしい経歴
を持っている神田を仲間にしても
真実がつかめなかった。

不甲斐ないという気持ち
で私はホールズを舐める。