。。。そうだ!2度目の電話の時には。

そのとき神田が言った。

「留守番電話が入りましたよね!
あれは中園専務からですか?」

私は背筋が凍りついた。
まさか。まさか神園が妻を誘拐?
急いでジャケットの右ポケットから
携帯を取り出し神田と表示を見た。

「留守番電話メッセージ  1件 神園豊」

私は神園からメッセージがはいった
と気づいていたが、神田はそこまで
は知らなかったようだ。
今までの話から考えると
神園の脅迫メッセージだ。

「どうします?1人で聞きますか?」

神田は言ったが、私は

「いや、実は途中でメッセージが
あることは気づいていたのだが
誘拐の憶測が出てから恐ろしく
なってしまって。
一緒に聞いてくれないか?」

神田は無言で唇を震わせてうなずいた。
女性であるからもっと怖いに違いない。

お互いホールズを同時に口に含んだ。
そしてスピーカーモードにして
メッセージ再生ボタンを押した。