10秒程間をあけて神田が言った。

「取引をしませんか」

嫌な予感は的中した。
神田はあれを欲している。

「実は私は元バスガイドをやっていました。バススパイの経験もあります。依頼されたミッションは100%成功しています。」

バススパイとはなんだ?探偵や警部なら
話は分かるのだか。私の目を睨むように
凝視し、質問をする間がない。

「部長の奥様を探す報酬としてホールズ20個」

「そしてもし見つけ出した場合は部長のホールズ
グッズをすべていただきます」

やはり睨んだとおり神田もこちら側の人間であった。
ただの飴好きではない、生粋のホールズ好きだった。