「少しいいか」

神田を会社の人間が滅多に入らないと
いわれる開かずの会議室へと呼んだ。
そこは書類が山積みで埃で眼鏡が
曇るほどだ。

「実は私のつ、つ、が」

ここまで埃がすごいとは思わなかった。
言葉さえ発せられないほど埃だ。
目は眼鏡をしているせいかそれほどでもない。

「部長どうぞ」

神田はバックからマスクを2枚取り出し
ひとつを自分の口へ、もうひとつを私へ差し出した。

「すまない」

マスクをする前にホールズを口に入れ
一旦深呼吸をした。

少し爽やかになった。