その名も、高宮 那央。



なんかすっごい嫌そうな顔されてるけど、そこはあたしですから。


那央くんの不機嫌さに気づかないふりをして駆け寄った。


「お前、何してんの?」


呆れたような顔に溜息混じりの声であたしを見下ろした那央くん。


頭一個分程の身長差にいつもドキッとしてしまう。


そっと那央くんの顔を見上げた瞬間、自分の表情がゆるゆると緩んでいくのが分かった。


だってね、しょーがないんだよ?


那央くんってすっごいかっこいいんだから!



優しそうに垂れた目尻とか

すっと通った鼻筋とか


ちょっと薄めの形のいい唇とか

柔らかそうな黒髪とか



全部があたしのストライクゾーンすぎる。