エイディーは二人の目の前に、おいしそうなりんごパイと、




ちゃばのかおりがよくたった、ダージリンのこうちゃを出すと、




クレアのむかいのせきにすわりました。




もちろん、パイはスティックがたではなく、さんかくのかたちをしています。




こんがりときれいなきつね色にやきあがっていました。




男はきげんをなおしたようで、エイディーのとなりにすわり、じまんげに言います。




「エイディーの作ったパイは最高なんだ!!」




クレアは、ナイフとフォークもつかわずに手で食らいつこうとしたトムをさめた目で見ていましたが、




トムはそのパイを食べずに、お皿にしずかにおきました。




なにごとかとクレアは問おうとしましたが、




兄はかたをふるわせ出しました。




エイディーと男もどうしたのだと問いかけます。