その夜、




トムは家を出て月をながめていました。




「トルクル…ラ…り…、」




「どんな歌だったっけ?」




家のまえでぼーとしていると、男の歌っていた歌をおもいだしました。




しかし、よくおもい出せません。




その日は、満月で、トムの作りかけの落としあながてらされていました。



「…作ろう。」




ほうり出されたスコップを手にとり、




―ザクッザク




すこしかたい土をほりすすめました。