トムはうたごえの主が小人ではないことにがっかりしました。




そんなトムをみかねた男は、やさしくこう言います。




「そんなくらい顔をしていたら、楽しいことも楽しくなくなってしまうぞ。」




「だって、ぼくのところには小人が来てくれないから。」




しょんぼりとうつむきながら答えます。




「くらい顔をしていては、小人は来てはくれないよ?」




「さあ、顔をあげて。」



トムのあごをかるくもちあげ、ほほえみます。




それでもはれないトムの顔。




「そうだ。おれの作ったりんごでできた、うまいパイがあるんだ。」




「あげるから、家にかえったらかぞくと食べるといいよ。」




「いいんですか?」




男は大きくうなづきました。




「エイディーの作ったパイは最高なんだ!!」