そのとき、玄関の方で扉がひらく音がした。
「あっ、噂をすれば、あいつかしら」
……どーしよ……
としごろの男の人とひとつ屋根のしたなんて、
絶対無理……。
とゆうかどーしてパパママ、教えてくれなかったの~!?
しかも、「同じ学校」……??(恐怖)
か、か、か帰りたい……!
「あらっ、あらっ、パパ~!?」
ん?
わたしがユッキーの後を追って玄関にいくと、そこにいたのはスーツ姿の綺麗な男の人。
「なんか楽しみで、落ち着かなくてさ。
早めに仕事切り上げてきたんだ」
「そう!
だからこんなに早いのね、珍しい。
いつもいつも飲み会だの残業だのって……
あなた、本気出せば12時前に帰れるのね!
知らなかった~」
「……いやみだろう」
この人が……旦那さん!
「あっ、あなた、この子がほのちゃんよ、今日から一緒にすむ」
ハルキさんは靴を脱ぎながら、さらさらの黒髪の隙間からわたしを見上げた。
「へえ……この子が」
そして、にこりと微笑んで手をさしのべる。
「ほのかちゃんか。
君嶋ハルキです、これからよろしく」
おずおずとわたしも手を伸ばすと、ハルキさんはきゅっとその手を握りしめた。