ガキの頃から一緒にいる、俺と美保。
いわゆる幼なじみってやつ。
高校に入ってからも
その関係は変わらないと思っていた。
高校入ってから
俺や美保はモテるようになった。
中学以上は皆バラバラに進学をする。
俺も美保も地元を少し離れた高校へ入学した。
俺や美保は
元々、顔がいいし身長も高(低)め
モテないはずがなかった。
だから、
口数も減り、
最近はあまり一緒にいない。
美保の親友、北川にはちょくちょく会うが…。
そして、
美保に彼氏が出来たと風の噂で聞く。
授業後の休み時間には
必ずと言っていいほど
廊下で彼氏と歩く美保を見かけた。
その度
胸が締め付けられる。
俺は美保が好きだった。
ガキの頃からずっと。
いや、一目惚れだったのだろう。
あった日から俺は美保に恋をしていた。
中学の頃、
何度か言った。
好きだと…
でも、美保は
友達のスキと受け止め、
「私も楸ちゃんのことすきだよ!」
なんていう。
最初言われた時は
嬉しかった。
これで、美保は俺のものだ!と
思ったから。
けど、
「ちなつちゃんも、あいちゃんも、あきくんもたかくんもすきだよ!」
と付け足すように言った。