【完】告白相手、間違えました。






「俺だってお前のこと好きだから」



「・・・知ってる」




腕を回し、そう言う私に


神谷は少し強く私を抱きしめる。




「すげー嬉しい」




私から体を離し、

笑顔で言う神谷。




私も、と言う前に

ーーーチュ










唇に一瞬だけ触れたモノ。



「・・・・・・・・・!?///」



触れたのは、神谷の唇で・・・


つまり・・・キッキキキキキキキキスしたってこと!?



恥ずかしくなり、手で顔を隠す。


悪戯っ子っぽい笑顔で笑っている神谷を睨む。




「顔真っ赤ー」



い ら つ く ☆




神谷を見ると、

顔が真っ赤で・・・


思わず顔がにやける。



「何ニヤニヤしてんだよブス!!」



そう言って耳まで赤くする神谷。




今は暴言でさえも可愛いさ。











「俺・・・今すっげー幸せ・・・です」





そう言ってニッと笑う神谷に

私まで嬉しくなる。




・・・・・顔は真っ赤だけど。







「好きだ」




そう言って、また顔が近づいてくる。



目を閉じ、

今までで一番甘くて優しい触れるだけのキスをした。
















「むむむむー!!」



「まーまー、仕方ない」



自分の席に座っている私の肩をポンッと叩く夏帆。




2月14日。


今日はバレンタインデー




あれから、私は走って自分の部屋に戻った。


西野さんはいなかったから、夏帆にすぐ報告した。


すると夏帆は、自分のことのように喜んでくれて……


涙が出たよ。もう歳かな。
















・・・で、私は神谷のかっ彼女になったわけだけど・・・。




「・・・モテてすぎでしょ」



神谷の周りには、

相変わらず女子女子女子っ!!





いや、前より女子の数




増えた・・・・・・?




多分、いや絶対…





スキーのせいだっ!!




誰もが見惚れるほどの滑りで・・・




確かにあれはヤバかった!!




絶対、男子も惚れたでしょ!!!



ファン?が増えるのは仕方ない・・・けど、






スキーのバァアアアアアカ!!












「はい、さっさと行けー」


夏帆はそう言うけど・・・


「・・・無理ーーーーーー!!」




だってあの中に飛び込んだら怪我する!絶対!!





「・・・もう仕方ないなー







神谷ーーーーーー!」






大声で神谷を呼んだ夏帆。




驚いて夏帆を見ると



「あとは頑張れーーー」



とニヤニヤしながら何処かへ行ってしまった。










「・・・間宮?」



はい、間宮ですが何か?




「あー・・・はは・・」





見てる見てる見てる!!


睨んでる睨んでる睨んでる!!




女子が・・・




私の顔色が悪かったのか、


神谷が


「・・・ちょっと来い」



と言い、私の腕を掴んで教室を後にした。


















「・・・で、どうした?」



来たのは保健室。




な、何で・・・?




先生はいなくて。


今は2人だけ。





「・・・ただ夏帆が呼んだだけだから・・・気にしないで?」





精一杯の笑顔を作り、


教室に戻ろうと、ドアの方に行く。




チョコは放課後でも・・・いいか





「・・・うっ・・え・・?」













戻ろうとする私の手を掴み、



私をベッドに倒す。






うっっっっっっっそぉおおおおおお!?






「ちょっ」





私の上に覆い被さるように、

神谷は至近距離で




「・・・言えよ。
どうしたんだよ」





と真剣な様子で言った。




どんなに抵抗しても、


男の力にはかなわない・・・




なかなか言わない私を見て神谷は、



はぁとため息をつき




「言わないと・・・
襲うよ?」




と言った。





ええぇぇぇぇぇ!?