春から高校1年になったまゆみとくうやは小さいころから一緒で幼馴染みの関係だった。二人いわく、「「一緒じゃなきゃ、落ち着かん」」
とのこと。でもまゆみとくうやにはそれ以上の関係で思ったことはないと言っている。
「おっ!まゆみ~おっはよーん♪」
「みなみ!!おはよう!!」
桜満開の花道を歩いていたまゆかの前にひときはにぎやかな振る舞いをだして声をかけたのはまゆかの近所のみなみであった。二人は近所なだけあって仲が良く一番の親友であった。
みなみは春にも関わらず茶色のカーディガンを緩く着こなして、ショートカットの前髪は星のヘアピンで止めてあった。また明るい声でまゆかにこう言った。
「まゆかて最近、雰囲気が違うよね~」
「えっ」と声をあげびっくりする様子を気にせずみなみは話しかけた。
「いやー、最近まゆかおしとやかって言うか、はっちゃけが少ないからさ~」
「おしとやか…?」
そう言われたのは初めてでなんだか照れくさかった。最近の自分が変わり始めただなんて、全然気がつかなかった。
「えへへ、そうかーあたし、おしとやかか。」
「うんっ!!変わったね~」
みなみはニカッと笑い私にそう言った。その時春風が私の頬を撫でるように吹いてくる。桜の花びらが雪の様に降ってきて、まゆかのロングヘアーに花びらが着いた。ふふっと鼻で笑うとまゆかは「早くいこう!!」とみなみに言った。
「あっ、まゆか!!待ってよー!!」みなみはまゆかの後に続いて走っていく。こうして、まゆかの新しい高校生活がスタートしたのであった。