「もう、くうやー!早くしなさいよ!!かっけこ
遅いわね!!」

「ま、まってよ、まゆかが早いんだよ…ハァハァ」

「たく、男なのにだらしがないわね!!ほらっ、見て!」

あの日二人で見た丘の上の夕焼け、
大好きだったこの時間、
まだ5歳だった私たちは無邪気で子供だった。
気の強いわたしとちょっと内気なくうや、まるで磁石のSとNのような関係で、その時はまだお互いに意識はしていなかった。「いつも一緒」、まるで弟のような存在かでほっとけない、、、そんな感情もあった。
___でも、いつからだろう…__
私よりいつの間にか背が大きくなって、細い長い腕で顔もずいぶんとはっきりして綺麗な顔立ちになっていて…、、あの頃のくうやとは違っていた。まゆみはすこし悔しいかった、自分が知らないくうやがまだいるということが_。