「ちょっと座ってろ」

「えっ?・・・」

 ったく全然大丈夫じゃねぇくせに強がりやがって。
 で・・・女って何飲むんだ?
 ココアとか甘ったるいヤツでいいのかな・・・。
 まぁいいか。
(ピッ・・・ガタン)
 
「ほら飲めよ。寒いんだろ?」

「あっココアだ!ありがとう」

「どういたしまして。」
 やべぇ・・・今の顔可愛かった!!
 焦ったぁ~。一瞬ドキッとした・・・。
 
「そんでお前学校どうすんの?」

「今からちゃんと行くよ・・・。
 人が少なくなったら行く・・・。」

「ふ~んそっか。無理すんなよ?」

「うん。ごめんね?本当にありがとう・・・。
 後ココアのお金・・・。いくらだった?」

「いいよ別にジュースぐらい。」

「でも・・・」

「じゃぁ今度お前が俺におごってくれればいいよ」

「うん・・・。迷惑かけちゃってごめんね。
 私は一人で平気だから学校行って?遅刻しちゃうよ」

 いや・・・こんなヤツ一人でおいて行けないだろ・・・。
 俺だってそんな白状な人間じゃねぇし。

「いいよ?今日朝練ないし。」

「でも・・・」

「一人じゃ不安なくせに強がってんじゃねぇよ。
 本当は恐いんだろ?一人で電車乗るの」

「・・・うん」

 やっと素直になった。
 ったく世話のやける女だな。
 まぁ別にコイツは嫌じゃないし。
 なんでかわかんねぇけど嫌じゃない・・・。
 
「一緒に行ってやるよ。
 だから安心しろ・・・。ちゃんと守ってやるよ。」

 俺・・・今すっげぇくせぇ事言ったな・・・。
 まぁいいや。ほっとけないし。

「ありがとう海崎くん?」

「何で俺の名前知ってんの?」

「有名人だから・・・すっごくカッコよくて有名だよ?
 クラスの女の子みんな言ってたし・・・。」

「ふ~ん。俺興味ねぇから分かんねぇけど・・・
 俺はカッコよくないのは知ってるけど。」

「何言ってるの??海崎くんめちゃくちゃカッコイイよ?
 それに優しいし・・・!!!あっ・・・」

 そんな一生懸命言われると照れるな・・・。
 カッコよくなんかないのにな。

「ありがとうございます・・・」