「あのさぁ・・・とりあえず
 降りるか」

「うん・・・」

(プシューガタンゴトンガタンゴトン)

「好き」

「え!?」

 降りてからまだ30秒だよ・・・

 いくらなんでも早すぎだろ!?

「ずっとずっと好きだったの・・・」

「“ずっと”っていつから?」

「中学2年の時から・・・」

「は!?中2!?なんで!?」

 中2って学校違うよな!?

 なんで俺のこと知ってんだ!?

「何で知ってんの?」

「練習試合でうちの学校に来てるのを
 見て・・・見とれちゃったの・・・」

「嘘!?」

「うそじゃない!!!」

「すいません・・・」

「それで・・・だけど・・・昔から
 人気者だったから・・・わたしじゃ絶対
 つり合わないって分かってた・・・だから
 あきらけてた・・・」

「・・・」

「だけど・・・一昨日の朝助けてもらって
 一緒にご飯食べて・・・いろいろ話して
 “もう少しこのまま”って言ってもらった時
 わたし・・・耐えられなくなった・・・
 気持ちを伝えたいって溢れそうだった・・・」

「神山・・・」

 コイツ・・・昔から俺のこと考えてくれてたんだ

 全然知らなかった・・・それどころか・・・

 俺は・・・最近まで神山の存在に気づかなかった

 最低だ・・・

「好き・・・」

「・・・神山・・・」

 俺はコイツを幸せに出来るのか?

 でも・・・こんな気持ち初めてだった・・・

 今すぐにでも・・・抱きしめたいとも

 思った・・・