授業中でも考えちゃうのは

 あの人のことばっかり・・・。

 困ったな・・・

 全然勉強が頭に入ってこないや

(キーンコーンカーンコーン)

「1日って早いね・・・」

「うん・・・。明日こそ
 頑張ってね涙」

「うん・・・」

「やっぱり練習見に行こう?」

「う~んでも・・・」

「悩んでる時間なんてないよ!
 ほら行くよ!!!」

「はい・・・」

(カキーン)

『ほら次行くぞ~』

『うい~す』

『ほら行くぞ海崎!!!』

『はい』

 あっ!海崎くん・・・やっぱり
 カッコイイなぁ。

 キャッチャーやってる時なんて
 もっとカッコイイな・・・。

 見てるのさえも切ないなぁ・・・
 なんかこのフェンスが大きな壁に
 見えてきちゃうよ・・・。

 遠すぎる・・・

「涙・大丈夫?」

「うん・・・ごめんね。
 やっぱりわたし帰るね?」

「うん・・・何かあったら電話でも
 メールでもいつでもしてね?」

「ありがと・・・じゃぁね」

「うんバイバイ」

 夢華に悪いことしちゃったな・・・
 せっかくわたしの為に連れて来てくれたのに

 でも・・・あそこにいると
 涙が出てきそうで・・・。

 はぁ~同じ高校なんて来なきゃ
 良かったかなぁ~・・・。

 でも・・・海崎くんをもっと
 遠くで見てるだけなのはもっと
 嫌だな・・・。

 複雑だぁ~・・・はぁ~

(ガシャン)

「ん?」