「っ、見ないでよ…!」




そりゃ泣きたくもなるよ…!!




顔を逸らすけど、しつこい瀬名晴人は、あたしの顔を覗き込もうとするのをやめない。





「…そんなに好き?
そいつのこと…」



「うるさいなぁ…!」




あんたには関係ない、と言ってやろうとした時




グイッと、突然右腕を強い力で引っ張られて。




瀬名晴人の手が、あたしからはなれる。






「…周防!?」




「え…た、田中!?」





目の前には、なぜか息を切らした田中が険しい顔であたしを見下ろしていた。