「誰もアナタの彼女になった覚えないんだけど?」
「そんなこと言うなよ〜、もうキスまでした仲じゃん?俺ら♪」
肩に回されそうになった腕を避けて、ニヤニヤしている瀬名晴人を睨む。
軽っ…
最悪だ。
なんでよりにもよってこんな奴に、あたしの……!
「っバカ!」
拳で、瀬名晴人の胸を叩く。
「何で、あんなことしたの!?」
何度も、何度も叩く。
コイツのせいで、クラスメイトには変な目で見られるし。
あらぬ噂も出回ってるし!
「あの、地味に痛いんだけど…?」
「あたし!好きな人いるのに…!!」
パシッ…
瀬名晴人が、あたしの両手首をつかんで、顔を覗き込んだ。
「…まどかチャン…泣いてる?」