「……あっ!違うからね!?
これは、例えば、そんなこともあるなぁ…ってだけで!!」
無言のあたしに気付いた友梨が、慌ててフォローする。
「例え万が一、億が一、世川花凛が田中を好きになったとして
田中がそうとは限らないしさ!?」
そしてアハハ、と笑ってごまかそうとする友梨だけど…
「…もしかして、前にまどかが言ってた田中の好きな人って…
花凜?」
あたしの表情から何かを読み取ったらしい小夏が
おそるおそる、といった感じでそう尋ねた。
「…うん」
「ええ!?マジで!?」
大袈裟にリアクションするのは友梨。
「だって世川花凛は、もう一人の幼なじみと付き合ってるはずじゃ…」
…うん、そうだよ。
それでも田中は
好きなんだよ…。